戦後を代表する政治学者として知られるだけでなく、知的批判的精神の立派な足跡を残した丸山真男。そして、教養ある著名な父母のもとで不自由なく活発な精神活動を育み、反戦平和を貫いた哲学者古在由重。二人は、旧制の高校大学で先輩後輩の関係にあった。 この二人の対談が『エコノミスト』に掲載されたのが1966年。まさに「大学闘争」が燃えさかりつつある頃であった。当時を学生として生きた僕は、お二人の対談には特別な感慨を禁じえない。 この本の書評をというお話があった時、その最適任者であるとは思えないけれども、この機会に、「大学闘争」という時代を生きた自分たちを見つめ直す機会にもなることだろうと考え、喜んでお引き受けした。以下は、『葦牙』誌(同時代社刊)27号に掲載したその文章である。 |
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